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独自コインでファンと接点『SPOTSALE』の目指すエコシステム

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クラウドファンディングやICO(仮想通貨による資金調達)など、資金調達の多様化が進んでいる。その中で、イジゲンが発表したオリジナルコイン取引所サービス『SPOTSALE』は新たな切り口で企業や店舗の資金調達を提案している。

SPOTSALEは企業や店舗が独自のコインを発行することで資金調達を実施できる。ファンはコインを利用して商品を購入したり、会員権として所有しているだけでサービスを受けられたりする。また、コインはユーザー同士で売買できる。

今後の展望やコインの流動性の対応など、SPOTSALEを運営するイジゲンに話を聞いた。

 

店舗が抱える『閑散期問題』を解決したかった

イジゲンCEOの鶴岡氏は常々、リアルの店舗における閑散期を解決できるアイデアを模索していた。どんな店舗でも、曜日や時間帯によってはどうしても売り上げの効率が落ちてしまう。

そんな時に目についたのが、定額制で劇場の映画が見放題になるサービス『ムービーパス』だ。ムービーパスは月額約10ドルという低料金で映画が見放題になるが、指定された時間帯でのみ利用できる。つまり、劇場における閑散期と、安く映画を観たいユーザーを結びつけたサービスだった。

着想を得たアメリカのサービス『ムービーパス』

ここから着想を受けて誕生したのがSPOTSALEだ。店舗における空き時間(スポット)を売るサービスとしてSPOTSALEと名付けた。店舗が独自にコインを発行することで、空き時間だけでなく、アイデア次第で様々な課題が解決できる

コインはプライベートブロックチェーン技術を採用しているため、書き換えが難しくセキュリティ的にも安全だ。ユーザー間でコインが売買できるのも、ブロックチェーンならではの特徴と言える。

また、ターゲットを店舗にしたことも理由がある。イジゲンは店舗に来店するだけでポイントが貯まるサービス『エアポ』の開発・運営実績があり、リアル店舗と連携したマーケティングは経験済みだ。既にCOOの市江氏はマーケティングの拠点を東京に構え、店舗と連携しSPOTSALEの導入準備を進めている。

イジゲンが開発・運営するポイントサービス『エアポ』

 

IPOでもICOでもない、新たな選択肢

SPOTSALEはICOともIPOとも、はたまたクラウドファンディングとも性質が異なる。基本的な仕組みとしては、店舗が独自コインを発行して、ファンに対してコインセールを実施できるプラットフォームだ。

ICOとクラウドファンディングの特徴を併せ持つSPOTSALEだが、鶴岡氏は差別化されているポイントとして「ICOやクラウドファンディングは一回的だが、SPOTSALEならば店舗が保有するコインを売ることで再び資金調達ができる」と強調する。

継続的にファンと接点を持てるSPOTSALEの概要は以下の通りだ。

 

中小規模の店舗に最適化

IPOする規模に達していない、もしくはICOはハードルが高いと考えている中小規模の店舗にとって、SPOTSALEは新たな選択肢になる

SPOTSALEでコインを発行する企業や店舗のメリットはいくつもある。

資金調達が実施できるのはもちろんだが、コインを通じてファンとの新たな接点が持てるのがポイントだ。もともと、その店舗のファンだった人は応援の気持ちをコインの購入として表現できる。また、コイン発行の告知を通じて、これまでファンではなかった人にもリーチできるため、新規顧客獲得の期待もできる。

市江氏は美容、リラクゼーション、エンタメ、アクティビティといった業種の参加を期待しているという。リアル店舗もECサイトもコイン発行のメリットはある。

もちろん、購入したコインは発行元でしか利用できない。そのため、ファンと発行元の間に、コインを介したエコシステムが構築される。

 

投資とも商品券とも違う、気軽なつながり

コイン保有者は様々な優遇を受けられる。コインでしか購入できない商品やサービスはもちろん、コインで決済すれば円で購入するよりも割引される(割引率は店舗側で設定できる)。コインを利用するには、QRコードを店舗で提示するだけという手軽さも魅力だ

また、コインは売却できるので、購入したはいいものの利用する機会がない場合などは便利だ。売却金額が購入金額よりも高ければ売却益を得ることもできる。

 

資金調達したい企業/店舗を募集中

現在、資金調達をしたい店舗を募集している。市江氏は「アイデアがたくさん出てくる積極的な店舗や、ファンとのつながりを大事にしている店舗にこそSPOTSALEを利用してほしい」と語る。

SPOTSALEでは資金調達を目指している企業/店舗の募集を6月から開始している。SPOTSALEにログインして、仮審査を申請するまでの手順は簡単で、店舗の基本情報や目標金額を入力するだけとなっている。

ユーザー登録はFacebook認証も可能。

審査には複数のステップがある。

  • STEP1:基本情報の入力
  • STEP2:コインなどSPOTSALEでの提供内容、調達希望金額を入力
  • STEP 3:提出した情報を元にSPOTSALE運営が仮審査
  • STEP 4:仮審査を通過した後、SPOTSALE運営との打ち合わせ、必要なデータの提出、内容と調整の決定
  • STEP 5:SPOTSALE運営による本審査
  • STEP 6:審査完了、SPOTSALEへ上場

運営と調整した内容を元にコインセールを開始。コインセールには期間が定められている。コインセール期間が終了すると、ユーザー同士でのコインの売買も可能になる。

コインセールによる資金調達が完了すると、調達金額がSPOTSALEサービス内の口座に反映される。出金申請をすることで、自身の口座に金額が振り込まれる。

コインセールが完了後、実際にコインを利用したサービスの提供が開始される。

 

8月上旬までに5店舗がコインセール開始予定

店舗へのSPOTSALE導入マイルストーンとして、7月から8月上旬に5店舗がコインセールを開始する予定となっている(コインセールの開始時期は前後する可能性がある)。また、年内には100店舗がコインセール開始できることを目標にしている。7月にコインセール実施を予定しているのは以下の5店舗。

 

コワーキングスペース『billage OSAKA

ホームページ:https://billage.space/

コインセール開始予定:7月末

 

レストラン『Bitter Valley Grill

ホームページ:https://bittervalleygrill.owst.jp/

【会員権】

内容:プレミアムシャンパンフリーフロー。会員ともう一名まで、モエ、ヴーヴクラスのシャンパンが2時間(LO90分)飲み放題。

価格:50万コイン(コインの単位は未定)

期限:1年

コインセール開始予定:8月上旬

 

パーソナルトレーニング『TRYeX赤坂(トライエクス赤坂)

ホームページ:http://www.tryex-akasaka.com/

【会員権】

内容:2か月集中コース

価格:98000コイン(コインの単位は未定)

期限:半年

コインセール開始予定:8月上旬

 

オーダーサロン『BESPOKE TAILOR TagliArte(タリアート)

ホームページ:http://www.tagli-arte.info

【会員権】

内容:ゼニアの15万円の生地が10万円。

価格:10万コイン(コインの単位は未定)

期限:生地があれば何度でも

コインセール開始予定:8月上旬

 

創作和食『酒・肴・旬菜 今澤

ホームページ:https://r.gnavi.co.jp/gaa6900/

【会員権】

内容:2名以上の来店で、1名の食事代が無料

価格:未定

期限:1年

コインセール開始予定:8月上旬

 

実例の創出と、実用性の追求を徹底

世間では『トークンエコノミー』という言葉がバズワードになりつつあるが、一般へ普及するまでの道のりは遠いのが現状だ。プロダクトの無いプロジェクトも多く、さらに仮想通貨をめぐる厳しい規制が壁となっている。見栄えの良い派手なビジョンよりも、実例と実用性が重要になりつつある。

SPOTSALEはこのような潮流を真摯に捉え、実例の創出と、実用性の追求を徹底している。

 

会員権取引所からスタートし、実例を創出

SPOTSALEがローンチしたのは2018年3月で、この時は会員権取引所としてスタートしている。まずは用途を絞ってローンチし、リアル店舗での実例を創出した

面白い利用例として、会員制バーの『S3』はオーナー権を会員権として販売している。会員権を購入したユーザーにはバーを利用できる鍵を貸与する。会員権は約10万円と高額だが、SPOTSALEならば会員権を他人に譲渡できるため、より気軽に購入してもらえることを期待した

S3の会員権を購入すると店舗の鍵が貸与される

会員権からコインに裾野を広げた理由はまだある。個人でトークンを発行できる『VALU』とSPOTSALEは比較の対象とされることが多いが、VALUには流動性という課題を抱えている。SPOTSALEは会員権よりも、さらに粒度の細かいコインを売買できることで流動性を高める

コインセール開始時には1コイン=1円でスタートする。コインセールが終了するとユーザー同士でコインの売買が可能になるため、価格は変動する。ユーザーはコインの売買益を得ることも可能だが、仮想通貨ほどのボラティリティは発生しないと鶴岡氏は予想している。

 

資金決済法の対策

トークンエコノミーにとって避けて通れないのは資金決済法の壁だ。仮想通貨のように、仮想通貨取引所へ上場し、通貨を汎用的に利用できてしまうと、資金決済法の規制の対象となる。

金融庁は仮想通貨や仮想通貨取引所への規制を強めており、参入したい事業者にとっては先行きが不透明なのが現状だ。

SPOTSALEで扱うポイント『SPT』や店舗が発行するコインは、6ヶ月の利用期限を設けている。また、コインは発行元の店舗でしか使えない仕様になっていて汎用性はない。これらの対応によって資金決済法の一部の規制の対象から外れる。

規制の壁を正面から越えようとすれば開発のスピードは落ちかねないが、実用性を優先したプロダクト開発を進めている。

 

第一弾としてイジゲンコインがコインセール中

SPOTSALEでのコインセール第一弾として、運営元のイジゲンがオリジナルコイン“イジゲンコイン”のセールを開催中だ。

イジゲンコインはSPOTSALEで利用できるポイント“SPT”を5%のボーナス付きで購入することができる。さらに、コインセールに参加すれば早期に購入するほどボーナスがもらえてさらに得になる。

 

イジゲンコイン基本情報

ステータス:コインセール中
COIN 記号:IJGN
最低発行枚数:5,000,000 IJGN
最高発行枚数:50,000,000 IJGN
初回価格:1円 = 1 IJGN

 

ロードマップ

イジゲンコインのロードマップは図の通り。機能追加とSPOT数(参加店舗数)の目標が明記されている(開発やSPOT数の達成は前後する可能性がある)。

 

 

コインセールスケジュール

コインセールは7月末まで続く。早期に購入するほどコインのボーナスが得られる。

WEEK1:06/15 ~ 06/22(+30% BONUS)
WEEK2:06/22 ~ 07/02(+15% BONUS)
WEEK3:07/03 ~ 07/17(+5% BONUS)
WEEK4:07/18 ~ 07/30(+0% BONUS)

 

会員権

イジゲンコインには会員権もある。100,000IJGNでイジゲンのITコンサルを受けられる会員権を購入できる。

優待の説明:約1年間、イジゲン株式会社が提供するITコンサルティングが毎月1時間無料でできます。 (土・日・祝日除く)

利用条件:1月1回まで

有効期限:360日

 

店舗とファンの新しい関係

クラウドファンディングともIPOとも違う、オリジナルコインを介した資金調達は中小の企業や店舗にどのような影響を与えるか注目だ。さらにクーポンや電子マネーとも違い、ただ“お得”なだけではないオリジナルコインは、顧客とどのような新しい関係性を築くのか期待が集まる。

この記事の著者
久野太一
ライブドア、LINE、サイバーエージェントを経て福岡へ移住。福岡のベンチャー企業グッドラックスリーのブロックチェーン事業でICOのマーケティングとユーザーコミュニケーションを経験し現在フリー。
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