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仮想通貨に量子コンピュータ耐性は必要なのか?

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仮想通貨の根幹であるブロックチェーンの暗号技術は従来のコンピュータでは突破できないと言われています。しかし、従来のコンピュータを遥かに超えるコンピュータが誕生しようとしています。その次世代のコンピュータである量子コンピュータが仮想通貨に及ぼす影響について考察していきます。

量子コンピュータとは

桁違いの処理速度

量子コンピュータは従来のコンピュータよりも遥かに高い処理速度を有しているとされています。NASAのエイムズ研究センターに設置されいるD-Waveという会社が製作した量子コンピュータは最適化問題においてスーパーコンピュータの3,600倍の速度で計算できると言われています。最適化問題は量子コンピュータが得意とする「あるルールに従って解を求めること」です。

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このとてつもない速さを実現できる理由として、ほとんどのコンピュータは2進数を利用しているため[1]か[0]の2種類を使い処理しますが量子コンピュータは重ね合わせにより[1]でもあり[0]でもあるという扱いをすることができます。これにより従来のコンピュータとは一線を画すスピードが実現できるという理屈です。

ブロックチェーンの暗号化技術を突破するのか

まず現在のブロックチェーンの暗号技術について紐解いていきます。ブロックチェーンは「公開鍵暗号方式」という暗号技術が使われています。これは「公開鍵」と「暗合鍵」という二つの鍵を使って暗号化、復号化することができます。公開鍵を使って暗号鍵を求めることは理論的には可能ですが、膨大な計算量を必要とするため実質的には難しいとされてきました。

しかし、量子コンピュータでは圧倒的な計算力によって容易に秘密鍵を求めることができてしまいます。量子コンピュータが実用化されれば従来の公開鍵暗号方式を採用している仮想通貨は存在することが難しくなってしまうかもしれません。

Lamport(ランポート)署名

Lramport(ランポート)署名とは

ランポート署名とは1979年にレスリー・ランポートによって考案された量子コンピュータに耐性を持つと考えられる電子署名の技術です。

Lamport(ランポート)署名の仕組み

まず最初に、署名者は秘密鍵と公開鍵を生成します。秘密鍵は256対、計512個の乱数によって生成されている。(対になる乱数をそれぞれA,Bとします)公開鍵はそれらの乱数をハッシュ化したもの。ハッシュは全ての人に公開されます。しかし公開されているハッシュから元の乱数を求めることは量子コンピュータでもかなりの時間がかかるとされています。

公開鍵と秘密鍵を作ったら、次に署名者による署名が行われます。署名の流れとして、メッセージのハッシュを作りそれを256ビットの2進数列に直します。そして次に第一ビットに注目します。第一ビットが0の場合は秘密鍵のAの1番目を選び、第一ビットが1の場合は秘密鍵のBの一番目を選びます。第ニビット以降も同様の操作をしていき256個の乱数を得ます。署名者はこの署名をメッセージと共に送ります。ここではメッセージは暗号化されていません。

次に署名の受け取り者が署名の検証をします。署名者と同様にメッセージのハッシュを作り2進数に直します。そしてまた署名者と同様にメッセージのハッシュごとに秘密鍵を計算します。そして受け取り者が署名者の公開鍵と値が一致するかを確認します。

一致すればそれは改ざんされていないものだということがわかります。また署名者が他人ではないことも確認できます。公開鍵は公開されているが秘密鍵は正当な署名者しかもっていないのでそれを利用して署名者であるという証明ができます。

理論上は量子コンピュータでも乱数を求めることは可能ですが、かなりの時間がかかってしまいます。同一の秘密鍵を使っていると乱数を求められる可能性が高くなるため秘密鍵は使い捨てです。

量子コンピュータ耐性を実装しているまたはする予定の仮想通貨

以下が量子コンピュータ耐性を実装している、または実装予定の仮想通貨です。

  • NEO(NEO)
  • ADA(Cardano)
  • IOTA(IOT)
  • QTUM(Qtum)
  • QRL(Quantum Resistant Ledger )
  • HSR(HSare)
  • IOC(I/O Coin)
  • XSH(SHIELD)

まとめ

量子コンピュータの実用化はまだ厳しいという声がある中、2011年にカナダのD-Waveは量子コンピュータを発売し、2017年にNTTがインターネットで公開利用を開始しました。研究は確実に進んでおり、完成する時も近いかもしれません。

現在は量子コンピュータ耐性を備えている通貨は少ないですが、今後は量子コンピュータ耐性を実装する通貨は増えていくことが予測されます。量子コンピュータ耐性を実装できない通貨は淘汰されていくかもしれません。

この記事の著者
chai
情報学を学んでいる大学生。経済について勉強中。
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