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カタパルト時期はいつ?NEMとmijinとカタパルト完全解説!

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3月26日(米国西海岸時間 3月25日)に、NEMがフル機能を備えたブロックチェーンエンジン『カタパルト(mijin v.2とも呼ばれる)』のβ版を開発者に向けに発表したことが話題になりました。

カタパルトの開発は2年半に渡り続いていたので、ついに陽の目を見ることになったわけですが、それでは一体この機能はなんの目的で作られ、どのようなインパクトをもたらすのでしょうか。

これまでNEMが辿ってきた経緯や、目指す未来を理解しながら、カタパルトの基本をおさえていきましょう。

NEMとmijinの関係

mijinはNEMが採用するプライベートブロックチェーン

mijinのホームページより抜粋

NEMのカタパルトを理解するためには、まずmijinについて知っておく必要があります。mijinとはテックビューロ社が開発したプライベートブロックチェーン製品で、NEMはこのシステムをすでに採用しています。

このmijinの用途をさらに広げるために、NEMはコアデベロッパー数人をテックビューロ社専属として送り込んで、mijinの大型アップデートを目指してきました。この大型アップデートの通称を『カタパルト』や『mijin v.2』と呼んでいるのです。

そもそも、今回話題になっているのは「カタパルトのβ版を開発者向けに発表」なのですが、これは「NEMにカタパルトが実装された」という話ではありません。あくまでも「mijin v.2のβ版(開発者向けのプレビュー版)がリリースされた」ということです。

このmijin v.2のプレビューを経て、製品版が完成し、NEMに実装されてはじめて「NEMにカタパルトが実装された」と言えます。

NEMのビジネスユースを促進するmijin

次にmijinの特徴について説明していきます。NEMがmijinを採用している目的はなんなのでしょうか。NEMの公式ブログでは以下のように説明されています。

ビットコインやNEMのようなパブリックブロックチェーンは誰でも簡単に参加し、ノードを立ち上げ、データをシェアし、受け取ることが出来ます。しかし、多くの現実世界におけるビジネスや金融業界のユースケースには、ブロックチェーンに参加できる人々は限られています―これは、許可制ブロックチェーン(Permissioned Blockchain)と呼ばれ、Mijinはそれに必要な強力な機能を提供しています。

要するに、NEMをビジネスや金融で利用してもらうためのプライベートブロックチェーンとしてmijinを採用しているのです。

ビットコインやNEMはパブリックチェーンであり、誰でも参加できるというメリットがあります。その反面、暗号化を複雑にして信用を担保しなければならず、送金に時間がかかったり、Proof of Workによるコンセンサスアルゴリズムが電気代が多くかかったりするなどのデメリットもあるのです。(NEMではProof of Importanceというコンセンサスアルゴリズムが採用されています)そのため、ビジネスや金融での利用と相性が悪いケースもあります。

一方、プライベートチェーンは許可された人々にしか利用できないので、ざっくり言うと小回りの効く運用ができてビジネスユースしやすいのです。(パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いについてはここでは説明を割愛します。)

NEMのパブリックチェーンはオープンに誰でも参加できるもの、対してmijinはNEMをビジネスユースしてもらうためのシステムであると考えるとわかりやすいですね。

カタパルトの注目ポイント

カタパルトの特徴は大きく3つあります。1.性能アップ、2.複数レイヤーでのマルチシグ、3.アグリゲートトランザクションです。

 

秒間最大4000件の処理性能

主なサービスの処理能力とカタパルトを比較してみましょう。

  • ビットコイン(BTC):14件/秒
  • イーサリアム(ETH):15件/秒
  • リップル(XRP):1,500件/秒
  • カタパルト:平均3,000件(最大4,000件)/秒
  • VISAカード:4,000〜6,000件/秒

あくまでも、プレスリリースに書かれたカタパルトの実証実験の結果が平均3,000件/秒とのことなので、サービスインしたときにこの数字が出るかはわからないものの、それを差し引いても優秀な処理速度だと言えます。

 

複数レイヤーでのマルチシグ

スマートコントラクトを利用するときに、複数のレイヤーに渡ってマルチシグ(複数人による署名)を実行し、それらをひっくるめて1トランザクションとして扱える機能です。

言葉で説明するとややこしいので、図を見てもらうとわかりやすいです。

NEMが公開しているドキュメントより図を抜粋

アカウント2と3、別々のレイヤーでマルチシグが成立していることが前提で、アカウント1のマルチシグに進めるというスマートコントラクトです。このように、ひとつのスマートコントラクトを成立させるために複数のレイヤーでマルチシグを設置する必要がある条件下にも対応可能になります。

 

個人間でも安全な取引

アグリゲートトランザクションについては、COMSAのICOのホワイトペーパーで言及されています。簡潔に言うと、mijinを第三者仲介役として、個人間での仮想通貨の取引を安全に、少額の手数料で行える機能です。

COMSAのホワイトペーパーより図を抜粋

図ではアリスとボブが300,000JPYと1BTCを取引しようとしています。mijinはアリスとボブから300,000JPYと1BTCを預かったことを確認してから両者に引き渡します。そしてアリスはZaif取引所に少額のBTCを支払います。この一連の流れがワンセットのスマートコントラクトとなります。

第三者仲介業者にこのような取引を仲介してもらうと、手数料が高くつきますが、mijinを利用すればコストは少額で済みます。

さらに、異なる通貨同士の取引をシームレスに行えるので、NEMの流動性が高まることが期待できるのです。

COMSAのホワイトペーパーによると、この機能は2018年にNEMのパブリックチェーンに実装される予定だとされています。

 

リリース時期は?2018年のNEMとmijinに期待

2018年は実証ではなく実行の年になりそうです。カタパルトの開発は2年半ほど行われてきましたが、その多くを実証実験に費やしていたようで、すでに豊富な実績があります。

本稿で説明してきたように、カタパルトによってNEMのトークンエコノミーはさらに広がりを見せて行くでしょう。投機として注目を浴びがちな仮想通貨ですが、カタパルトをきっかけに社会インフラとしても認識されるのか注目していきたいですね。

この記事の著者
久野太一
ライブドア、LINE、サイバーエージェントを経て福岡へ移住。福岡のベンチャー企業グッドラックスリーのブロックチェーン事業でICOのマーケティングとユーザーコミュニケーションを経験し現在フリー。
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