ブロックチェーン技術を用いて透明性の高い広告エコシステムを構築するプラットフォーム『Metax(メタックス)』が日本に進出する。メタックスはデジタル広告業界にはびこる詐欺被害『アドフラウド』の大幅減少を目指す。
米国でのアドフラウド被害は8000億円超
アドフラウドとは、デジタル広告における不正広告の一種だ。botなどによって広告のインプレッションやクリックといった成果を水増しして、不当な広告費用を広告主に請求する。
米国ではアドフラウドによる8136億円の規模まで拡大していると試算されており、これは広告キャンペーン全体の37%を占めている。
日本でも電通がデジタル広告の運営で不正を働き、虚偽の報告を広告主にしたとして問題が浮き彫りになっている。
監視報酬としてトークン配布
メタックスは代理店を介さず、メディアと広告主が直接やりとりをする広告プラットフォームだ。暗号通貨技術を用いた『スマートIOs』を採用することで、即時決済が可能になっている。
広告を配信するメディアはホワイトリスト型で管理しており、監査をパスしたメディアのみが広告配信を許される。
また、メタックスは独自のトークンadToken(ADT)を発行する。走っている広告キャンペーンに不正がないかどうか、トークン保有者が監視する。広告主の意に沿った広告が配信されていると正しく判別したトークン保有者には報酬としてトークンが付与されるため、アドフラウドが発生しない自浄作用となる。
ブロックチェーンを用いた広告システムとしては、ビールメーカーのバドワイザーがKiip社のブロックチェーン製品の『Single Ledger』を採用した広告キャンペーンを実施して話題を集めている。
Single Ledgerもメタックス同様、広告キャンペーンに不正がないか第三者が監視できる仕組みを取っている。