ブロックチェーンと宇宙のビッグデータを用いて仮想空間にもうひとつの地球を作るプロジェクト『EXA(エクサ)』がFacebookグループで運営するコミュニティを3000人規模に拡大した。EXAプロジェクトを運営するスペースデータのCEOを務める佐藤航陽氏はコミュニティ限定で簡易版の資料を展開しており、今後は地球人口の半分ほどのコミュニティ規模に成長させたいと展望を語った。
勝者不在の衛星データ活用領域
EXAプロジェクトは「テクノロジーで新しい宇宙を創造する」をミッションとしており、主に二つの目的を達成することで新たな社会システムの構築を目指す。
①人工衛星から取得できる大量のデータをビジネスに活かすことで民間による宇宙開発の時代を切り開くこと
②宇宙ビッグデータを活用して人類の手で仮想空間上に新たな宇宙を創造すること
ミッションの背景として、宇宙産業の7割が軍や政府の需要に占められており、民間の参入はまだまだ少ないことがある。2015年以降、民間の宇宙ベンチャーに対する投資熱が高まっているものの、ロケット事業のように体力勝負の領域がメインで、衛星データ活用などのアプリケーション領域は参入企業が少なく、参入企業も収益化に苦しんでいるのが現状だ。スペースデータは勝者不在の宇宙のアプリケーション領域で収益化実現を目指す。
民主主義と資本主義を再定義
EAプロジェクトが解決するのは政治と経済の課題だ。社会の複雑化が政治の課題、格差の拡大が経済の課題とそれぞれ定義している。
EXAプロジェクトはブロックチェーン上にもうひとつの地球を作ることで課題解決を試みる。人工衛星データをブロックチェーン上に記録することで『仮想地球』を創造し、現実の地球と同じように資源を採掘できる仕組みを作る。
現実の地球では石油や金、宝石といった資源が採掘され、資源が多く採掘される地域が経済的に繁栄する。一方、仮想地球では現実の地球の経済と逆相関となる。つまり、現実の地球で経済が乏しい地域ほど、仮想地球ではトークンとして資源が多く採掘される。
経済の発展レベルは衛星の夜間光データと経済の相関関係から計測する。
ポケモンGO的マネタイズ手法
仮想地球での採掘は位置情報を用いたアプリケーションで行う。ポケモンGOと同じように、ディスプレイの地図上に表示された採掘ポイントを目指して移動し、採掘ポイントで何らかのアクションをしてトークンを獲得するものと思われる。
ポケモンGOは集客手段にも用いられている。ポケモンGOがマクドナルドやローソンを公式のポケストップに認定することで、店舗は集客を測る広告モデルのマネタイズ手法だ。EXAプロジェクトも広告モデルによるマネタイズを計画しており、ポケモンGOと同様の集客スキームを構築する。
EXAプロジェクトの今後の詳細なマイルストーンは発表されていないが、今回のコミュニテイ拡大にあわせてCTOポジションの募集を開始している。