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ブロックチェーンに代わる新しい技術?期待の新技術『DAG』とは

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ブロックチェーンに代わる新しい技術として注目されている「DAG」を紹介します。「DAG」の解説をWikipediaで読んでみると。

有向非巡回グラフ、有向非循環グラフ、有向無閉路グラフ(ゆうこうひじゅんかいグラフ、英: Directed acyclic graph, DAG)とは、グラフ理論における閉路のない有向グラフの事。

と書かれていますが、ちょっとイメージしにくいですね。

仮想通貨において、DAGはどのような課題を解決してくれる技術なのでしょうか。また、ブロックチェーンとはどのような点で異なるのか、将来性やリスクはどうか、といった点からDAGを理解していきましょう。

仮想通貨を支える3つのテクノロジー

基礎的な話になりますが、仮想通貨が画期的だと言われる背景に3つのテクノロジーがあります。

  • Peer to Peer(P2P)
  • 暗号技術
  • ブロックチェーン

それぞれの細かい説明は省きますが、この3つの技術を組み合わせることで仮想通貨のシステムが成り立っています。

このうち、ブロックチェーンは台帳管理の技術です。ブロックと呼ばれるトランザクション(取引データ)の塊をチェーン状につなぎ合わせることで、全ての取引を管理することができます。

そのブロックチェーンにとって代わるか、と期待されている技術がDAGなのです。つまり、DAGもトランザクションを管理するシステムです。

では、DAGはどのような点において期待されているのでしょうか。その背景にはブロックチェーンが現状で抱えている課題があります。

ブロックチェーンの抱える課題

仮想通貨イメージ

ブロックチェーンの課題というよりも、ビットコインの課題と表現した方が適切かもしれません。ビットコインで目下、課題とされているのはスケーラビリティ(拡張性)と、それに付随する手数料の増加です。

ビットコインのブロックサイズ(ひとつのブロックに保存できるデータ容量)は「1MB」と定められています。これにより、ブロックあたり約4,000件のトランザクションを約10分で処理します。

10分で4,000件なので、1件あたり6〜7秒かかる計算になります。対して、大手のクレジットカードでは1秒に数千件のトランザクションを処理できるので、ビットコインは処理速度ではクレジットカードの足元にも及ばないと言えます。

さらに、ビットコインは送金リクエストが一定数を超えると、処理スピードが追いつかなくなり、いわゆる「送金詰まり」の現象がおきます。ビットコインでは高額な手数料を払うほど、早く決済が行われる仕組みなので、送金詰まりが発生してしまうとその分手数料が釣り上がってしまいます。

これが俗に言うビットコインのスケーラビリティ問題です。

ブロックが不必要でマイニングも存在しないDAG

ブロックチェーンはひとつのブロックの前後にひとつずつブロックが連なっていて、一本に繋がっている構造です。それに対して、DAG構造は必ずしもブロックという固定の容量を定めた容器を利用する必要がなく、さらに一本ではなく複数のトランザクションと繋がる構造になっています。

DAG説明ブロックチェーン

ブロックチェーンが一本の鎖だとすれば、DAGは繊維が折り重なってできた糸のようなイメージです。

DAG構造を採用した仮想通貨『IOTA』

IoTに特化しスケーラビリティに強い仮想通貨

IOTAはIoT(Internet of Things)のマイクロペイメント(少額決済)に特化した仮想通貨です。マイクロペイメントは少額の決済を大量に行うことを想定しているので、手数料がネックになりますが、IOTAは手数料が無料であることが特徴です。

IOTAはDAG構造を採用することで手数料無料を実現可能にしています。

IOTA図解

IOTAのホワイトペーパーより引用

IOTAではDAG構造のことを「Tangle」と呼んでいます。四角のひとつひとつはブロックではなく個々のトランザクションです。ブロックを形成しないことで、仮に送金リクエストが大量に発生しても理論上は送金詰まりが起こらないため、スケーラビリティにも強いと言えます。

なぜ手数料が無料なのか

また、Tangleには「トランザクションは過去に行われた二つのトランザクションの承認を行わなければならない」という原則があります。

つまり、ビットコインがマイナーによるPoW(Proof of Work)でトランザクションの承認を行っているのに対して、TangleではトランザクションそのものがPoWを行っているのです。

ビットコインの場合、PoWを行ったマイナーには報酬として新しく発行されたBTCが付与されますが、Tangleがスタートした時点でIOTAトークンは全て発行されているので採掘という概念は存在していません。

多くの仮想通貨では、スパム対策のために手数料を導入していますが、Tangleの場合はそもそも取引を行うためにトランザクションを承認しなければいけません。例えば、大量の空のトランザクションを生成してスパム攻撃をしようとしても、スパムトランザクションを生成するたびにPoWを行うため、Tangleのネットワークはむしろ恩恵を受けることになるのです。

より汎用的なDAG構造の仮想通貨『Byteball』

IOTAと同じくDAG構造を採用している仮想通貨が『Byteball』です。IOTAがIoTのマイクロペイメント特化なのに対して、Byteballは汎用的なプラットフォームです。

Etheriumのようにスマートコントラクトを実装することもできますし、Byteballを利用して新たな通貨を発行することもできます。

IOTAと異なる点はいくつかあります。まず、少量の手数料が発生します。これはトランザクションによるPoWを行っていないためで、PoWを行わない代わりに手数料を導入して、Mainchainという監視システムの運用にあててスパム対策にあてているのです。

実績が課題

DAGはブロックチェーンの代替技術としては優れたものに思えますが、IOTAもByteballも2016年から稼働を始めたシステムで実績が乏しい状態です。ビットコインは数々の問題が叫ばれていますが、システムがダウンしたことはなく実績は他の通貨と比べて頭ひとつリードしています。

DAG構造を採用した通貨がこれから規模を拡大し、稼働実績を重ねてからが本当の評価の時でしょう。

この記事の著者
久野太一
ライブドア、LINE、サイバーエージェントを経て福岡へ移住。福岡のベンチャー企業グッドラックスリーのブロックチェーン事業でICOのマーケティングとユーザーコミュニケーションを経験し現在フリー。
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