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ベネズエラの国家ICOペトロ(petro)の特徴や将来性を解説

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2018年2月20日、南米のベネズエラが世界で初めて国家としてICOのプレセールを開始し、注目を浴びました。ベネズエラの天然資源である原油を担保にして作られた仮想通貨で、プレセールからわずか1日で7億ドル(710億円)以上の調達に成功しています。

では、世界初となる国家ICOが目指すものとは、また、ベネズエラはICOをすることによりどのような利益を得たいのでしょうか。経済的背景を含めて考察してみます。

世界初の国家ICOペトロ

実は国家として仮想通貨を作成する構想は珍しいものではなく、過去にエストニアや中国、ロシアといった国々が国家主導の仮想通貨を作る計画を発表していました。しかしベネズエラが他の国と大きく違っているのは国家としてICOを行い国家主導の通貨を発行した点にあります。

ベネズエラがICOを行う目的

ベネズエラがICOを行う目的は自国の経済状況を改善させるためです。現在ベネズエラはハイパーインフレ状態に陥っており、国民は物が買えないだけでなく、餓死するものまで出ている状況です。

ベネズエラの経済状況が悪化した理由には政府の腐敗等が関係しています。悪化する一方の経済状況を仮想通貨を使用した資金調達スキームを採用することで改善できると考え、ペトロを発行するようです。

ベネズエラの経済的背景

ベネズエラは近年2,616%以上の消費者物価上昇率を記録し、国民の多くが日常生活に困窮している状態にあります。大きな理由として今まで原油産出国ゆえに石油に依存していた点や、通貨管理制度を導入していたことが挙げられます。

原油産出国であるベネズエラは石油に依存した結果、輸入に頼るようになり国内で自立する能力が着々と失われてきました。また、ベネズエラは国家主導で主要な生産企業を国営企業に強制収容してきた過去があり、我慢できなくなった国民は、当時大統領だったチャベス氏を失脚させるべく石油産業がストライキを実行しました。その後政府はベネズエラ経済を安定させるため通貨管理制度を導入したのですが、それによりベネズエラでは政治腐敗が起こり物価が一時4,000%も上昇しました。

そういった背景があり、ベネズエラとしてもこのハイパーインフレを止めるために何とかしなければと国家ICOプロジェクトを始めたようです。

ベネズエラの国家ICOは実際に機能するのか?

国家が発行するペトロは、通常のICOとは大きく意味合いが違ってきます。通常民間の会社がICOを行う場合は、発行されたコインが使用される場所は発行体のプラットフォームか、提携先企業など限定的な場所のみとなります。しかし国家が発行したコインであれば、ベネズエラ国民が日常生活で使用できる法定通貨として使用されることになるため、その規模が大きく違ってきます。

では実際にベネズエラがペトロを発行したとして、どのようなメリットや懸念点があるのかまとめてみます。

ペトロのメリット

ペトロをベネズエラが発行するにあたって、以下のようなメリットがあると考えられます。

  • 国家が推奨している
  • 仮想通貨が原油とペグされている
  • ベネズエラ国内で法定通貨として使えるようになる模様
  • アメリカからの経済制裁の逃れられる

ペトロ自体原油とペグされており、尚且つ国家のお墨付きがある仮想通貨は一定の信頼があるため投資家を後押ししています。また、ペトロ自体がベネズエラ国内で使用できるようになることは、他の仮想通貨が一部でしか使用できないことを考えると魅力的です。

また、ベネズエラ国家のメリットとしては自国の腐敗によりアメリカから経済制裁を受けており、ベネズエラ政府の債権や、国営の石油企業が発行する証券をアメリカ国民に売ることを禁止されています。そういった経済制裁をペトロを使用して逃れられるという利点があります。

ペトロの懸念点

国家が発行する仮想通貨ということで期待される一方で、ペトロには以下のような冷ややかな意見も挙げられています。

  • 原油の安売りになる可能性
  • ペトロと原油は交換できない
  • 取引所に上場される保証はされていない
  • ベネズエラ国民は購入ができない
  • 自国の経済を安定させていない国の発行

ペトロは1ペトロ=1バレル(160リットル)の価値を設定していますが、プレセールでは総発行量の40%を60%offの値段で販売します。そのため、原油の安売りでは?と懸念されているとともに、ペトロと原油は交換できないようになっているため、価値の裏付けにならないのではとの指摘もあります。

また、ベネズエラでは国民が外貨貨幣を購入することができないため、自国通貨ボリバルでの購入を受け付けていません。そのため、実質的に購入ができないことになっています。

国家ICOの展望

今回の国家主導でのICOは、世界中が注目しているのは間違い無いでしょう。少なくとも、今回のICOで多額の資金が短期間で集められることは証明されましたし、経済破綻が改善されるようなことがあれば一気に注目度も増すのではないでしょうか。

ベネズエラの経済状況や、ペトロの性能に一抹の不安は残るものの、初の国家ICOプロジェクトの展望は今後も見逃せません。

この記事の著者
とげみ
2015年から仮想通貨に興味を持ち始めて現在。
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