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ビットコイン版の恐怖指数LXVXについて

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仮想通貨のデリバティブ取引プラットフォームを提供するLedgerX社(米ニューヨーク)は、2019年1月14日に世界で初めてとなるビットコインのインプライド・ボラティリティ指数 LXVXを発表しました。

市場参加者の間では、別名「恐怖指数」として有名なVIX(CBOEボラティリティ指数)のビットコイン版と解釈されており、日に日にその注目度は高まりつつあります

本稿では、まず最初に ①LXVX指数の概要と、②算出根拠となるインプライド・ボラティリティの考え方について整理し、その上で ③LXVX指数を実際の現場(ビットコイン相場を予測する場面)でどう活用すれば良いのかについて解説したいと思います。

 

LXVXの概要

LXVXの正式名称は「LedgerX Volatility Index

LedgerXの「LとX」、Volatilityの「V」、indeXの「X」を取ってネーミングされており、市場では、別名「恐怖指数」として有名なVIX(CBOEボラティリティ指数)のビットコイン版として認知されています。ビットコイン相場の値動きが大きくなりはじめるとLXVXは上昇し、逆に値動きが小さくなるとLXVXは低下する傾向にあります。

VIXが米国の主要株価指数S&P500(SPX)の今後30日間のインプライド・ボラティリティを元に計算されているのに対し、LXVXはBTCUSDの今後30日間のインプライド・ボラティリティをベースに計算されています

 

LXVXはまだ上場されていない

VIXは既に金融商品として複数の取引所に関連商品が上場されていますが、LXVXはまだどこにも上場されていません。したがって、現時点においては、LXVXは米LedgerX社が公表する「参考指標」の位置付けに留まっています。ただ、将来的にLXVXがVIXのように上場される(商品化される)可能性は極めて高く、市場ではその時期を巡って、既に様々な意見が出始めています

 

ボラティリティの捉え方

LXVXを理解するためには、まず「ボラティリティとは何か?」を整理する必要があります。

ボラティリティには大きく分けて、ヒストリカル・ボラティリティ(歴史的変動率)とインプライド・ボラティリティ(予想変動率)の2つがあります。

 

ヒストリカル・ボラティリティ

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)は、過去の原資産(例えばBTCUSD)の価格変化率の標準偏差を求めたもので、言い換えると、BTCUSDが過去一定期間にどれくらいの値幅で動いたかを表したものとなります。ヒストリカル・ボラティリティが高ければ、「過去」の値動きが大きかったという事実を表しますし、ヒストリカル・ボラティリティが低ければ、「過去」の値動きが小さかったという事実を表します。つまり、ヒストリカル・ボラティリティが教えてくれるのは「過去の結果」に過ぎないのです

 

インプライド・ボラティリティ

一方、インプライド・ボラティリティ(IV)は、将来予測される価格変化率の標準偏差を表しています。言い換えれば、将来の値動きの範囲に対する市場参加者の予測値、すなわち、BTCUSDが将来どのくらいの値幅で動くかについての市場参加者の予測を教えてくれます。市場参加者が知りたいのは後者です。過去の結果ではなく、インプライド・ボラティリティが示唆する将来の予測値に興味があるのです

インプライド・ボラティリティの動きは、将来の値動きに対する市場参加者のセンチメントや不安感、ストレスを反映します。VIXやLXVXが「恐怖指数」と呼ばれる所以がここにあるのです。

 

LXVXの活用方法

LXVXの中期チャート

下記チャートはLXVX指数の昨年11月以降の推移です。

 

直近のLXVXは54.31%(2019年2月12日時点)となっていますが、この数字には一体どういう意味があるのでしょうか??

 

LXVXは今後30日間のインプライド・ボラティリティを元に算出されています。

従って、この54.31%という数字は、市場参加者による今後30日間のBTCUSDの変動の範囲の予測を示していることになります。

54.31%という数字になかなかピンとこないのは、LXVXが「%」で示されているからです

LXVXを実際のBTCUSDの値幅(USD)に置き換える習慣を付けましょう

 

計算式は次の通りです。

 

予想値幅の計算手順

①まず最初に、年率表記で表されているLXVX(54.31%)を√12で割って月次ベースに変換しましょう。

54.31% ÷ √12 = 15.68%

↑市場参加者が向こう30日間で予測しているBTCUSDの上昇率及び下落率

 

②次に、現在の実勢価格(3650ドル)に上記①で計算した15.68%を掛ける。

3650ドル × 15.68% = 572ドル

↑市場参加者が向こう30日間で上下572ドルずつの値動き(範囲)を予測している

 

③上記②で計算した572ドルを現在の実勢価格に加減する。

上限: 3650ドル + 572ドル = 4222ドル

↑LXVXから導き出された市場参加者の今後30日間のBTCUSDの上限の推定値

 

下限: 3650ドル – 572ドル = 3078ドル

↑LXVXから導き出された市場参加者の今後30日間のBTCUSDの下限の推定値

 

つまり、現在のLXVX指数の54.31%という水準をイメージし易いように言い換えると、「市場参加者による今後30日間のBTCUSDの値動きの範囲は上下572ドルずつ、予想レンジにすると3078ドル~4222ドルである」と言う事ができるのです。

 

このように、LXVXを√を用いて「%」から「値幅(USD)」に逆算すれば、市場参加者によるBTC相場の予測値を簡単に推計することができます。

先ほどは√12で割ることで月間(約30日間)の値幅を推計しましたが、√2で割れば半年間の予測値幅を推計ができます。√365で割れば1日の予測値幅も推計できるのです。

相場観を組み立てる際に大変便利な考え方となりますので、皆さまもインプライド・ボラティリティを値幅に逆算する習慣を是非身に付けてください!

この記事の著者
もかリーヌ
都内在住で現在育児中の「もかリーヌ」です。某金融機関でインターバンクFXディーラー(スポット、フォワード、オプション全て)を10年以上務めたあと、結婚・出産・育児を経て、現在はFX・仮想通貨専業のトレーダー兼ライターに。専門はデリバティブ、エキゾ、FX、仮想通貨、マクロ経済。
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