HOME ブロックチェーン技術 Coinbase(コインベース)金融庁の認可取得間近か?日本市場参入の現状と課題

Coinbase(コインベース)金融庁の認可取得間近か?日本市場参入の現状と課題

このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年1月22日、アメリカの仮想通貨取引所Coinbaseは、アジア圏の機関投資家向けに取引プラットフォームとカストディサービスを提供することを発表しました。

そうなると、次に気になるのが日本市場への参入です。今回の記事では、Coinbaseの日本市場参入の現状と、その課題について見ていきたいと思います。

コインベースの日本市場参入の現状

コインベース_北澤CEO

2018年6月5日、Coinbaseは公式ブログにて日本法人設立を発表しています。この発表では、株式会社お金のデザインのCOOであった北澤直氏が、日本法人CEOに就任したことも明らかになっています。

北澤氏は、弁護士としてキャリアをスタートさせたあと、モルガンスタンレーに転職し投資銀行員として約6年間勤務した異色の経歴の持ち主です。お金のデザインでは、ロボアド運用の第1人者として活躍し、一般社団法人Fintech協会で理事を務めるなど、業界の顔ともいえる存在でした。フィンテック分野での経験値、組織運営のマネジメント力など、能力の高さは折り紙つきといえます。

また、2018年10月に行われた日経アジアンレビューのインタビューでは、Coinbaseの最高政策責任者であるMike Lempres氏が、「2019年中には金融庁の認可を取得できる」と日本市場進出に自信をのぞかせています。こうした発言や法人設立、北澤氏のヘッドハンティングなどを踏まえると、Coinbaseが日本市場への参入に対して積極的な姿勢を持っていることがよくわかります。

Coinbaseの強みは日本市場に適している

コインベースの最大の強みは、セキュリティにあります。保有する仮想通貨の99%は、外部のネットワークから完全に遮断されたコールドウォレットで保管されており、ハッキングの心配がありません。さらに、ハッキングの可能性がある残り1%の仮想通貨には、そのすべてに対して保険がかけられています。仮にハッキングを受けたとしても、被害の全額が補償されるため、コインベース側にはいっさいの損害がでず、同様に利用するユーザーへの影響もないのです。

2018年1月に発生したCoincheckのハッキング事件以降、日本では金融庁が関連事業者に対していっそう厳しく取り締まりを行うようになりました。国内では、ほぼすべての事業者が業務改善命令を受けており、海外事業者も数多く日本市場から撤退しています。こうしたことからも、現状の日本市場参入への難しさと、金融庁の求める水準がいかに高いかということがよくわかります。

実際にLempres氏は、金融庁との話し合いにおいて高いセキュリティレベルが求められたことを明かしています。そのうえで、逆にそれが「Coinbaseにとっては有利に働く」と述べており、自社の強みと金融庁の要求が合致していることが、認可取得の自信の裏付けとなっていることが伺えます。

市場全体で求められるセキュリティの重要性

BitGo_セキュリティの重要性_機関投資家

仮想通貨関連のセキュリティ、カストディサービスを提供するBitGoは、2018年10月に行われたシリーズBの資金調達ラウンドで、ゴールドマン・サックスなどから5,750万ドル(約65億円)を調達しています。ゴールドマン・サックスは出資理由として、今後の機関投資家の参入が増えてきた場合、カストディサービスの重要性が高まることを挙げています。

保険会社や年金基金などの機関投資家は、顧客から資金を集めて運用を行います。その性質上、顧客に対する責任ある運用が求められるため、投資対象となるのは信頼性の高いETFなどが中心となり、リスクのある商品は避けられます。ほかの金融商品とは異なり、仮想通貨にはハッキングという独自のリスクがあります。脆弱なセキュリティでは、機関投資家の投資対象となることは難しいでしょう。

こうしたことからも、仮想通貨のセキュリティは日に日にその重要度を増してきています。高度なセキュリティの構築は、Coinbaseに限らず今後の市場全体のメインテーマとなっているのです。

Coinbase日本進出への課題

コイベース日本参入への課題

いっぽうで、Coinbaseは日本市場参入への課題も抱えています。Lempres氏は、金融庁がCoinbaseのシステムを日本国内で管理することを求めるかがポイントだと指摘したうえで、「米国と同じ体制を日本や他国で提供することは難しい」と答えています。

現時点では、金融庁がこうした要求を出しているかは明らかになっていませんが、過去のハッキング事件を考慮すると、その可能性は非常に高いといえます。金融庁の対応いかんによっては、Coinbaseの日本市場参入も先送りになるかもしれません。

こうした課題はあるにしても、日本でのサービスがスタートすれば、国内市場がふたたび活況を取り戻すための良いきっかけとなることは間違いないでしょう。引き続き、Coinbaseの今後の動向からは目が離せません。

この記事の著者
takuya maehara
仮想通貨やフィンテックを中心にフリーライター、コンポーザーとして活動しています。
このエントリーをはてなブックマークに追加

ブロックチェーンはECをどう変える?Qoo10が運営する『QuuBe』の事例

前の記事

IBMと金融大手12社が『we.trade』で挑戦する金融貿易の革命とは

次の記事

RELATED

関連記事