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再生可能エネルギーとブロックチェーンについて

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2018年以前は、ブロックチェーンと聞くと、仮想通貨と答えが返って来るほどにブロックチェーンと仮想通貨が同じように認識されていましたが、2018年後半ごろからようやくブロックチェーンの技術的側面と仮想通貨のビジネス的側面が切り離されて会話がなされるようになり、ブロックチェーンの実証実験や実用化が活発になってきました。

ブロックチェーンは、金融、物流、エネルギー、権利関係など、様々な分野に応用できる可能性があるため、大手企業からベンチャー企業まで実証実験や実用化を目指して研究開発が進んでいる状況です。今回はエネルギー分野の中でも再生可能エネルギー×ブロックチェーンの取組みについてご紹介します。

再生可能エネルギー×ブロックチェーン

再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスをもとに発電されたエネルギーを指し、発電時に温室効果ガスを排出せず、安全に発電できるものです。

一般的には太陽光パネルを自宅の屋根に取り付けて自分たちで消費するエネルギーを自分たちで賄う取組みがイメージしやすいかと思います。

自宅で使いきれない量の電力を発電した場合、電力買取制度というものがあり、電力会社が買電価格と同等の価格で買い取ってくれるのです。

しかし、電力を売却してから実際に自分の口座に入金されるまでには以下のようなプレイヤーが介在します。

  • 電力売却した人
  • 電力会社
  • 電力会社のメインバンク
  • 電力売却をした人のメインバンク

そのため、時間とコストが掛かってしまいます。特に銀行が異なる場合や海外の場合など手数料が高くなり、時間も要します。

そこで、これら一連のプロセスにブロックチェーンを活用することで、送金時間の短縮、そして自動化させることができます。

ブロックチェーンを活用した電力取引プラットフォーム

ここでは、実際に電力取引にブロックチェーンを活用している事例を見ていきましょう。

2017年時点で株式会社エナリス(https://www.eneres.co.jp/)は会津ラボ(http://www.aizulab.com/)との共同プロジェクトとして、福島県でブロックチェーン技術を活用した電力取引の実証実験を行っています。

2018年3月の実証実験結果報告書はこちらです

また、みんな電力(https://minden.co.jp)では、P2P電力取引プラットフォームの開発を昨年2018年から進めています。

NEMブロックチェーンで電力を見える化『みんな電力』ってどんなサービス?

この取引プラットフォームでは、発電量の30分デマンド値※1をトークン化して電力を必要としている方々へ配分する基本設計がなされています。

※1:30分デマンド値とは、30分間の電気の使用量からもとめた平均使用電力を指す。

再生可能エネルギーの存在証明

昨今、各企業がCSRの一環として、再生可能エネルギーを活用した企業活動を積極的に推進しています。特に商業施設や路面店を展開している小売業を営んでいる企業では、電力消費も多くまた、一般消費者との繋がりも重視する必要があるため環境に配慮した企業活動を心がけています。

しかし、実際に企業が購入した電力が本当に再生可能エネルギーなのか否かはどのように確認することが出来るのでしょうか?

実際に太陽光パネルで発電した電力を購入したと言っても、電気は目に見えませんし、送電線を伝って企業に配電されるため分かりません。

そういった課題を解決させるために、ブロックチェーンを活用した再生可能エネルギーの存在証明があります。

太陽光、水力、風力やバイオマスから発電されたものが誰の手に渡ったのかをブロックチェーンに書き込むことで電力供給のトレーサビリティが可能になります。

そして、どの企業がどの程度再生可能エネルギーを購入し、利用しているかも確認することが出来るようになり、企業側でも正確な数字を発表することが出来ます。

実際にみんな電力と新宿マルイは資本提携を行い、新宿マルイで利用するエネルギーをすべて再生可能エネルギーで賄う取組みを実施しています

みんな電力プレスリリースはこちら

ブロックチェーン上に誰が、いつ、どこで、どれくらい電力の取引がなされたかをすべて買い込むことで電力の発電から実際の消費者までトレースすることが出来ています。目に見えるものではない分、このような形で「見える化」させる取組みは今度も幅広い分野で取り組まれていくでしょう。

電力自由化が進み、今後も市場規模が大きくなると考えられているエネルギー分野においてもブロックチェーンは有効に活用されていることが分かります。

特にこれまで見えなかった部分がブロックチェーンによって見える化したり、これまでミニマムペイメントが実現できていなかった電力取引についても実現されるようになったりとブロックチェーンによって今後もさらなる発展を遂げることができるのではないでしょうか。

また、これまで競争があまりなされていなかった業界である分、今後新規事業者が多く登場し、各企業で競争をしながらより良いエネルギーサービスを実現してくれるのではないかと期待することができます。

ブロックチェーンというと、金融分野に目を向けられがちですが、エネルギー分野とも親和性が高く、さらなる応用事例が出て来ると考えられますので、ぜひ皆さんもエネルギー分野にも興味を持って頂ければと思います。

この記事の著者
tkd
2016年より仮想通貨ビジネスに参画。 2017年7月仮想通貨交換業者、株式会社ビットアルゴ取引所東京(現TaoTao)設立。管理部門を統括。 2017年12月に仮想通貨交換業者登録完了。 2018年1月の某仮想通貨取引所大規模ハッキング事件により会社の価値が爆上げ。 2018年4月に20億円の資金調達に成功。 現在はブロックチェーンやAIを活用した新規事業の立上げ、コンサルティングを主な生業とする。
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